■文山包種茶 青心烏龍種 2023 年春茶(淹れ手:横倉志津子)
<烏龍茶・清香> (ぶんさんほうしゅちゃ せいしんうーろんしゅ)
文山包種は台湾を代表する茶葉の一種で、新北市文山茶区で生産されています。
烏龍茶の中でも特に発酵度が低く、茶葉は深緑色、水色は緑色で、緑茶に近いすっきりした味わいです。
台湾における名茶師:蘇志成氏により手がけられた、青心烏龍種の文山包種茶です。
清らかに口の中に広がる豊かな香りと、文山包種茶ならではの芳醇な味わいをお楽しみ下さい。
茶席名は漢の武帝が河で宴会した時に秋風吹く景色を詠んだ漢詩から。
寒い時期にお茶で温まって頂く景色が、武帝の漢詩のイメージにつながります。
■妃子笑 2023 年(淹れ手:茶米)
<紅茶> (ひししょう)
産地は福建省武夷山。
武夷山といえば岩茶の産地として有名ですが、正山小種や金駿眉などの美味しい紅茶も数多く作られています。その武夷紅茶の中から「妃子笑」をご用意しました。
「妃子笑」は本来グリーンライチの品種名で、楊貴妃が好んだことから名付けられたといわれています。
その名を冠したこの紅茶は、華やかな香りと甘み、まろやかな喉越しが魅力的です。今回お淹れする「妃子笑」は、香りが高く且つほっとするような優しい味わいで、煎を重ねるごとに身体を温めてくれます。
深まりゆく秋のひととき、このお茶でほっこりしていただければ幸いです。
■鳳凰単欉 烏崬蜜蘭香(淹れ手:鈴木泰子)
<烏龍茶・単欉系> (ほうおうたんそう うーどんみつらんこう)
広東省潮州の鳳凰山区にある山々の中でも一際高い烏崬山で栽培されるお茶には独特の余韻(山韻)があります。フルーティーでフローラルな華やかな香りと、香りが溶け込んだような蜜の味わい、それを引き締める爽やかな収斂味が特徴の烏龍茶です。
■六堡茶 金花茶(淹れ手:東塚洋子)
<黒茶> (ろっぽちゃ きんかちゃ)
六堡茶は広西省悟州市蒼悟県六堡郷が原産の歴史名茶で、黒茶です。その歴史は古く千五百年以上と言われています。「紅、濃、陳、醇」の四絶と称される色と香り、味わいが特徴です。黒茶は古くなるほど価値が高くなるのですが、今回は 2006 年に作られた 17 年ものをご用意いたしました。
■鐡觀音茶王(淹れ手:國枝ゆか)
<烏龍茶・濃香> (てっかんのんちゃおう)
鉄観音といえば、あまり中国茶には詳しくないというかたも名前は聞いたことがある茶葉ではないでしょうか。
数ある鉄観音の烏龍茶の中から今回私がご用意したのは香港で購入した、その名も「鐡觀音茶王」。老舗のご店主が一番におすすめする烏龍茶をご紹介いたします。焙煎の香りと深い滋味をご一緒に味わえましたら嬉しいです。
■蘭韵白毫(淹れ手:新井方寸堂)
<緑茶> (らんいんはくごう)
今回お出しする緑茶は中国の南方雲南省を産地とする蘭韵白毫 。本来黒茶であるプーアールの茶葉をまだ新芽の頃の三月に収穫し緑茶に仕立てた珍しいお茶です。その喫味は蘭の花を想わせるような典雅な甘味があり、白毫という名の如く繊細な香り。プーアールと同じ茶樹から作られた緑茶とは想像が出来ない程その性格を異にしています。どうぞ飲み干した後の茶杯の余香もまたお楽しみ下さい。
■東方美人茶(淹れ手:平井まり)
<烏龍茶・蜜香系> (とうほうびじんちゃ)
台湾新竹県峨眉郷「徐耀良茶園」の2022年冬茶です。徐耀良茶師の東方美人茶は、コンテストで常に高い評価を得ています。東方美人茶は、ウンカの葉に対する影響で誕生した、高発酵の烏龍茶です。蜂蜜に似た甘い香りと味がする事で、人気の高いお茶になっています。水色は透明感のある黄金色の輝きです。口に含むと、蜜香の甘さと香りが心身に広がり、心地良さに包まれます。
■千年野生古樹白茶(淹れ手:佐藤正夫)
<白茶> (せんねんやせいこじゅはくちゃ)
雲南省臨滄市永徳大雪山の野生古樹から、2023年春に作られた白茶です。白茶は福建省のお茶が有名ですが、近年雲南省の白茶が増えてきております。月光白は特に有名ですね。「萎凋(いちょう)」と「乾燥」と言う少ない工程で作られますが、それだけに茶師の力量が問われるお茶に思えます。千年の野生茶樹とあり千年はともかく大樹の葉から作られたと想像いたします。お茶の力強さは、長く生きてきた樹木の底力のように思えます。
緑茶に似た透明感ある水色、フルーティーな香りを放ちながら力強さが持続する白茶、千年野生古樹白茶をお楽しみください。
※過去の天空茶会より茶席イメージのご紹介です